浄土真宗本願寺派 一乗山 妙蓮寺

お知らせ

2022.01.9
前住職・摂受君(法務員さん)・長男(新発意)

今日は日曜日で学校が休みの長男も一緒にお参りしてくれました。

「お参りしなさい」と言わずに自らお勤めに参加してくれたのは、もしかすると初めてのことです。

長男が中学生の頃、「お参りしなさい」と本堂に促すと、「お父さん、それパワハラって言うんで」と言われてしまったことが懐かしく思い出されます。

「パワハラ」と「お育て」の違いとはなんだろうかと、悩まされたことです。

高校生となり、自覚も出てきたのでしょうか。

後継ぎを見据える住職として、親としても、とても嬉しいことです。

読経も、正座の姿勢もまだまだですが、ご門徒の皆様、どうかお育てくださいませ。

さて、お勤めの後は『拝読 浄土真宗のみ教え』「お正月」を法務員の摂受君を中心に皆さんと唱和しました。

さすが、正座の姿勢が違います。

法話は、浄土真宗のお正月らしく蓮如上人と弟子の道徳さんとのエピソードを中心に、後生の一大事についてお取次ぎ致しました。

詳しくは、

「住職の法話」 新年明けまして「なんまんだぶ」

をぜひご覧ください。

法話後は、皆さんと新年のお焼香。

先に摂受君にお焼香のお手本を見せてもらい、住職が解説しました。

皆さん、とても所作が美しく、丁寧にお焼香をくださいました。

今日の御香は「沈香」でした。

沈香には、精神を安定させ、心を落ち着かせる効能があると言われています。

有名な薬「奇応丸」にも含まれています。CMでしている「樋屋奇応丸」(ひやきおうがん)が有名ですね。

奇応丸の原型は、750年に鑑真和上によってもたらされたと言われています。

また、その作り方は1510年、東大寺の太鼓を修理中にその腔裏(こうり)から発見されたといわれます。

江戸時代のはじめには一般に流通しはじめ、様々な病状に使われていました。

新年のお仏壇に、少しいいお線香やお香をお供えして、お参りをされてみるのも良いかもしれませんね。

新年早々、皆さんとお浄土の香りに包まれて、阿弥陀様のお慈悲を味わえて有難いひと時でした。

◎参考

【沈香】 ウキペディアより

沈香(じんこう、学名: Aquilaria agallocha、英語:agarwood)は、熱帯アジア原産ジンチョウゲ科ジンコウ属(英語版)の常緑高木。代表的な香木の一つ。

風雨や病気・害虫などによって自分の木部を侵されたとき、その防御策としてダメージ部の内部に樹脂を分泌、蓄積したものを乾燥させ、木部を削り取ったものである。原木は、比重が0.4と非常に軽いが、樹脂が沈着することで比重が増し、水に沈むようになる。これが「沈香」の由来となっている。幹、花、葉ともに無香であるが、熱することで独特の芳香を放ち、同じ木から採取したものであっても微妙に香りが違うために、わずかな違いを利き分ける香道において、組香での利用に適している。

沈香は香りの種類、産地などを手がかりとして、いくつかの種類に分類される。その中で特に質の良いものは伽羅(きゃら)と呼ばれ、非常に貴重なものとして乱獲された事から、現在では、沈香と伽羅を産するほぼすべての沈香属(ジンチョウゲ科のジンコウ属およびゴニスティルス属)全種はワシントン条約の希少品目第二種に指定されている。

「沈香」はサンスクリット語(梵語)で aguru(アグル)またはagaru(アガル)と言う。油分が多く色の濃いものをkālāguru(カーラーグル)、つまり「黒沈香」と呼び、これが「伽羅」の語源とされる。伽南香(かなんこう)、奇南香(きなんこう)の別名でも呼ばれる。沈香の分類に関しては香道の記事に詳しい。

また、シャム沈香とは、インドシナ半島産の沈香を指し、香りの甘みが特徴である。タニ沈香は、インドネシア産の沈香を指し、香りの苦みが特徴。

沈香は、強壮、鎮静などの効果のある生薬でもあり、奇応丸などに配合されている。

ラテン語では古来 aloe の名で呼ばれ、英語にも aloeswood の別名がある。このことからアロエ(aloe)が香木であるという誤解も生まれた。勿論、沈香とアロエはまったくの別物である。

中東では oud (عود) と呼ばれ、自宅で焚いて香りを楽しむ文化がある。

【樋屋奇応丸】 ホームページより抜粋


 もともと「奇応丸」の原型処方は、唐招提寺で有名な唐の高僧「鑑真」が伝えたといわれ、「色々な不調に対してすぐに応じることのできる薬」、奇に応じることができる薬として、当時は「不老長寿・鎮静・強心・解毒作用等万能薬」として珍重されていました。

 しかしながら配合生薬(ジャコウ、ニンジン、ユウタン、ジンコウ)は遠い海外から輸入しなければならないものであり、「高貴薬」であるため庶民の手には入りにくく、公家や僧侶の秘薬として用いられました。
 江戸時代になると薬が一般に売られるようになりますが、その頃の書物によると奇応丸は瘧(悪寒、発熱)、大霍乱(嘔吐、下痢、腹痛)、産後の血の道などに用いられたようです。
 「1622年(元和8年)初代坂上忠兵衛」は「極めて安全な生薬のみを使用している奇応丸は、赤ちゃんが生まれて初めて飲む薬として最も適している」こと、また、「赤ちゃんの服用量なら庶民にも手が届く」ということに着目して樋屋奇応丸を施薬しました。当時は、赤ちゃんの栄養状態も悪く、医療の行きわたっていない時代、「まさに奇応がある」、「よく効く」と川柳にも読まれるほどの「大評判」となり、以来380余年にわたり「樋屋奇応丸」は「信頼のブランド」として「赤ちゃんが安心して飲めるお薬」の代名詞となっているのです。

浄土真宗本願寺派(西本願寺)-親鸞聖人を宗祖とする本願寺派